top of page

シェイプオブウォーター

こんばんは。 最近おばちゃん感が増してきました、副代表のハトアリスです。

おばちゃんが最近聞いた女子高生の会話で印象的だった台詞。 「あれはまじムリ、もうまーじムリ、いや、まじムリだからね」 何がムリなのかは分かりませんが、とにかく拒絶するほどムリだということは伝わってきました。 誰でも、どうしてもムリなものってあるんじゃないかなと思います。 逆にムリなものがない人間はこの世にいるのだろうか? 本当に俺にはムリなものなど一つもないぜという素敵な方がいらっしゃったらぜひ出てきてください。結婚してください。 私の「まじムリ」だと思っていたもの。もう本当に本当に生理的にムリだったものは、 ありきたりですが、

ゴキブリです。 なぜでしょうね…私よりあんなに小さいのに…なんで恐いと思ってしまうんでしょうね………そして、なんでこんなに…殺意が芽生えてしまうのでしょう でも、そのゴキブリの見方が変わる出来事が、先日ありました。 ある日見た夢がきっかけです。 甘酸っぱくて切ない夢の中の物語…少しだけ聞いてください。 気がつくと、部屋の中で私は1匹のゴキブリに怯えていました。 ゴキブリが出るといつも家族に泣きついて殺してもらうのですが、 運悪く、そのとき家には私しかいませんでした。

しかもそのゴキブリは、普段出てくるゴキブリとは違いました。 彼は見つかってどこかに隠れることなく私を追いかけてくるのです。 あんなに気持ち悪い生き物に触れられるのだけは…それだけは、死んでも嫌だ。 決意しました。戦うしかない。 私は殺虫スプレーを手に取り、必死で彼に浴びせました。 ゴキブリはなかなか死なないので、何度も、何度も。 無我夢中でスプレーをかけていると、ゴキブリの元気が無くなってくるのが分かりました。 やったー自分で殺せた! ホッとしたそのとき、 ゴキブリは、ひときれの紙を床に置きました。 ??? 気になって見てみると、その紙には、 『すきだよ』 と書かれていました。 好き… もう一度ゴキブリの方を見ると、彼はだんだん動かなくなっていって、 ついに、息絶えました。 夢の中の私は、自分のことを好きだと言ってくれた男の子に、なんてことをしてしまったのだろうと、嘆きました。 ゴキブリくんは悪意があって私に近づいてきたわけではなかった。 好きという気持ちを伝えるために、必死に追いかけてきてくれた。 それなのに私は、その想いを踏みにじってしまった。 ここで目が覚めました。 目が覚めても、しばらく胸が苦しくて… 夢を見た後にこんなに切ない気持ちになったのは初めてです。 ゴキブリがただ私の目の前に現れただけで、私はいつも彼のことを気持ち悪いと言い、早く死んでほしいと思ってしまいます。 そしてゴキブリの気持ちも知らずに、平気で殺すのです。 殺して、ホッとするのです。 これが当たり前だと思っている人間って恐ろしい生き物だなと。 言葉が通じないから相手の気持ちも痛みもわからない。だからなおさら当然のことのように殺してしまうのでしょうか。 もしゴキブリが人間の言葉を話せていたら、また変わっていたでしょうか。 その夢を見てからまだゴキブリに会っていませんが、私は次ゴキブリに会った時に、これまでと変わることができるのか… やっぱり、ゴキブリくんを守る自信は、私には無くて。 どうしても会わないのが一番幸せだと思ってしまう。 ゴキブリくん、ごめん。 波戸 亜里子 


最新記事
アーカイブ
bottom of page